磨き抜かれた'ハウス'のグルーヴで明かす一夜。
Fumiya Tanakaと『CHAOS』の帰還に、[Perlon]首謀者Zipが帯同!
Fumiya Tanakaがオーガナイズするパーティー『CHAOS』が、1年ぶりに渋谷WWW Xにて開催される。
近年、欧州を中心にリヴァイバルが展開されるプログレッシヴ・ハウス、90s UKテクノ、レイヴに加え、忘れ去られかけている古典に倣う、ディープ・ハウスやシカゴ・アシッド等。それらを自在に行き来する現在のFumiya Tanakaのプレイはタグ付けが困難なほど奔放でありながら、同時にプリミティヴでタイムレスなグルーヴを展開する。これは、Karafuto、Individual Orchestraといった氏のハウス名義での探求の、時空を越えた結実とも言えるであろう。つまるところ、自身のレーベルである[Sundance]や名門[Perlon]を通じて'ミニマル'の代名詞ともされた氏のストイックなグルーヴは、新たな自由を得たようでいて実は一貫し、そして今、深度とスリルを増している。Soundcloudで公開されている昨年の『Dimensions Festival』や『CHAOS』の録音から、その断片が窺い知れるが、とにかく、今、物凄いことになっているのだ。
そんなFumiya Tanaka、そして『CHAOS』の帰還に、今回は盟友Zipも帯同する。ZipことThomas Franzmannは、過去10年以上に渡りテクノ/ハウスにおいて革新的な役割を果たしてきたレーベル[Perlon]の首謀者の1人であり、ここ日本でのプレイは'18年にCONTACTで開催された『CHAOS』以来、6年振りだ。氏のプレイもまた、([Perlon]でディレクションされてきた諸作品と同じように)フロアにおいて屈服せざるを得ない忘我的な抑揚と驚きに満ちており、そして何より、ダンスフロアに対して誠実だ。
キャリアを通じて切磋琢磨を繰り返してきた、信頼のおける両名の化学反応は、長年のファンであれば押して知るところであろうし、この数年の間に目覚めたクラブ新世代も、間違いなく虜にするだろう。求道極まる半永久的ハウス・グルーヴの真髄を、お見逃しなく。
Text by DNG (CYK / Lighthouse Records)
▼Fumiya Tanaka (Sundance / Perlon)
DJ、トラックメイカーとして30年以上のキャリアを持ち、現在もシーンの最前線に立ち続ける日本のテクノを代表するアーティストの1人。強靭なグルーヴをベースに、サウンドとフロアが呼応し合いながら展開する独特のDJスタイルは、未だ類稀な存在感を放っている。フロアに直結したシンプルなグルーヴを好む姿勢は変わらないものの、ここ数年の"田中フミヤ"のプレイは、かつてKarafuto、Individual Orchestraといった名義で行ってきた音楽やハウスグルーヴへの取り組みが反映されている。
2010年からベルリンへと拠点を移し、欧州を中心に世界各国のパーティー、フェスにて活躍。その一方、自らがオーガナイズするパーティーCHAOSをベースに定期的に帰郷し日本での活動も続けている。
https://www.fumiyatanaka.com/
▼ZIP (Perlon)
ベルリン在住のZipことThomas Franzmannは、過去10年以上に渡り、テクノやミニマルハウスにおいて最も重要な役割を果たしてきたレーベル"Perlon"のメインマンである。彼のキャリアのスタートは、80年代から90年代初頭にかけてのSecond VoiceやBigod 20といったジャーマンニューウェーヴ/EBMバンドでの活動まで遡る。"Perlon"設立以降、DJではZip、ソロではDimbimanというに2つの名義を使い分けながら活動を続けてきた。
テクノやハウス・ミュージックにおけるスケールや拍/音域の組み合わせなど、人々が無意識的に従う既成のありかたをThomasはほんの少しひねり、組み替えてみせる。そうしたほんのちょっとの発想の転換や既成のフォーマットそのものに対する素朴な疑問が、驚くほどフレッシュな瞬間やグルーヴを生み出せることを彼は自身のDJや作品の中で証明し続けている。