混沌の現代へ呼び起こされる記憶の温もり、イタリアの伝説的電子音楽家Gigi Masinが待望の初来日公演。
1986年に『Wind』でデビュー、Bjork、Nujabes、To Rococo Rot等のサンプリング・ソースとしても名を馳せ、ドラマのディレクターも務めるヴェネツィアの電子音楽家Gigi Masin。80年代Brian Enoや〈ECM〉とも共振するニューエイジ・アンビエントやバレアリックの記憶を呼び起こし、至高の憩いとなったアムステルダムの振興レーベル〈Music From Memory〉からリリースされた編集再発盤『Talk To The Sea』(2014) の話題を皮切りに国内外のレーベルから再発と新譜のリリース・ラッシュとなり、遂にはライブを始動。現代社会の憧憬とも言える80年代のエレガンスまとうシンセサイザーとピアノの美しきアンビエントの海原にそよぐ心地の良いバレアリックな風と祈りにも似た神秘への越境、本ディケイドにて実しやかに浮かび上がリ、過去から未来を投影する新時代(ニューエイジ)の"記憶"がいよいよ本邦初公開。
東京は渋谷WWWにて、ツアー初日の4/12(水)は東京公演のみとなる貴重なピアノ・コンサートにオープニング・ゲストとしてharuka nakamuraのアンビエント・セッション・プロジェクト"LABO"とDJにGigi Masinの名盤『Wind』の再発とキャリア・ベストのコンピレーションをリリースする橋本徹(SUBURBIA)とファッション、音楽、文芸など様々なフィールドに精通する〈BEAMS〉の青野賢一を迎え、Gigi Masinの叙情性をフィーチャー。ツアー最終日の4/18(火)にはベテランDJ3人、〈Music From Memory〉初のコンピレーションも監修したChee Shimizu (Organic Music)、COMPUMAによるニューエイジ・セット、橋本徹のオープニングと、ライブにやけのはら率いるアンビエント・ユニットUNKNOWN MEとTerre Thaemlitz主宰のレーベル〈Comatonse Recordings〉からDJ Sprinklesとシリーズのコラボレーション作品を発表したWill Long (Celer)を迎え、アンビエントを軸にバレアリックを拡張し、現代におけるGigi Masinの多様性をフィーチャーした電子音楽イベントの2公演が開催。
Gigi Masin (ジジ・マシン / Music From Memory / Italy)
1955年にヴェネツィアで生まれ、70年代初期より音楽活動を開始。FMステーションのラジオDJとして当時のイタリアのアンビエントや電子音楽におけるシーンのパイオニアとなり、国営放送や劇場などのライブではバイナル、ミキサー、ライブ・エレクトロニクス、テープ・ループを操るターンテーブリストの先駆けとしても知られている。
ドラマのディレクターでもあり、音楽プロデューサーとしては1986年に『Wind』でデビュー、ベルギーの〈Sub Rosa〉から1989年に『Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2』 、イタリアの〈Divergo〉から1991年に『The Wind Collector』を発表、その他2010年までに3枚のアルバムとイタリアのフォトグラファーLuis Filipe Cunhaとのシリーズのビデオ・アート作品を発表している。
これまでに多くのアーティストやDJがGigi Masinの作品をサンプルし、国内ではNujabes ('Latitude', 'Mystline')、海外ではTo Rococo Rot ('Die Dinge Des Lebens')、Bjork ('It's In Our Hands'), Main Attrakionz ('Church')、Dusty Residents ('All That I've Got')、 Friendzone, Moomin、Revelse、Locky-Stocky、DJ Ezasscul、Cahb、Perfect Keysなど著名なアーティストも多数含まれる。また『Café Mambo』, 『Klassik Radio』, 『Music For Dreams』, 『Late Night Broadcast』, 『Salicornie』といったコンピレーションにも収録され、ニューエイジ、アンビエント、バレアリック、エクスペリメンタルといった電子音楽の文脈で語られている。
2014年にアムステルダムの〈RedLight Records〉の姉妹レーベル〈Music From Memory〉から発表されたGigi Masinの30年を綴った編集再発盤とGigi Masin、Jonny Nash (Land of Light)、Marco Sterk (DJ Young Marco)のトリオ"Gaussian Curve"によるプロジェクト『Clouds』が、テン年代初頭から続くニューエイジ・アンビエントの再興の波に乗り、時代のアンビエント作家として再評価を受ける。2015年にベルリンの〈PAN〉によるコラボレーション企画"Lifted"に参加、その後初期の作品も立て続けに再発され、2016年には国内のレーベルから『Wind』(Suburbia)、『Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2』(P-Vine)からCD再発、Inner Scienceのリミックスも収録した12"シングル「Clouds」(ele-king / P-Vine)の再発が続き、その他イタリアのデュオTempelhofやElia Perroneのコラボレーション作品やイタリアの〈SILENTES〉傘下のレーベル〈13〉からStefano Gentleとのブックレット作品の新譜など活発なリリースを続けている。
https://soundcloud.com/gigi-masin-music
UNKNOWN ME
やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHIの作曲担当3人と、映像担当の大澤悠大によって構成される4人組アンビエント・ユニット。"誰でもない誰かの心象風景を建築する"をコンセプトに、イマジネーションを使って時間や場所を自在に行き来しながら、アンビエント、ニューエイジ、バレアリックといった音楽性で様々な感情や情景を描き出す。2016年7月、〈NOPPARA TAPES〉よりカセット・テープ「SUNDAY VOID」を、2016年11月、7インチ・レコード「AWA EP」を、2017年2月には、USオルタナティブ・ポップの名門〈NOT NOT FUN〉から、2作目となるテープ「subtropics」をリリースしている。
https://soundcloud.com/yakenohara
Will Long [Comatonse Recordings]
アメリカ出身、東京在住の音楽家、ライター、写真家。音楽レーベルTwo Acornsを主催、運営するほか、〈Normal Cookie〉や〈Bun Tapes〉などのレーベルの運営にも関わっている。2005年よりCeler名義でアンビエント・ミュージックの制作を開始、Mikoと結成したポップ・ミュージックのバンドOh, Yokoのメンバーとしても活動している。2016年には、自身の名義によるディープ・ハウスのデビューアルバム『Long Trax』をテーリ・テムリッツのレーベル〈Comatonse Recordings〉より発表している。
https://soundcloud.com/two_acorns
Chee Shimizu [Organic Music / 17853 Records]
東京を拠点に活動するDJ/コンパイラー/レコードショップ・オーナー。2000年代前半にイタロ/コズミック・ディスコ・リヴァイバルを日本に輸入し注目を集め、DJユニット〈Discossession〉のメンバーとして活動。〈Crue-L Records〉より楽曲を発表するほか、海外アーティストのリミックスを手掛けるなど、レフトフィールド・ディスコ・シーンで活躍する。並行してDJの新たな表現方法を模索し実験的な音楽活動を開始し、ジャンルやスタイルを超越した多角的フリースタイルDJとして活動の幅を広げる。また、生粋のヴァイナル・ディガーとしても国内外で広く認知され、自身が主宰するレコード・ストア〈Organic Music〉を通して世に埋もれた様々な音楽を発掘/紹介し、2013年にはディスクガイド〈obscure sound~桃源郷的音盤640選~〉をリットーミュージックより刊行する。2015年にレコード・レーベル〈17853 Records〉を始動し、イタリアの実験音楽家Riccardo Sinigaglia、大阪の女性デュオSynth Sisters、dip in the poolのヴォーカリスト甲田益也子の作品をリリースする。2016年よりスタートしたHMV record shopとのコラボ・レーベル〈JAPANISM〉では、目下世界的な注目を集める70~80年代の日本産音楽の再発やコンピレーションの監修/選曲を手がける。また、Disk Unionとのコラボ・レーベル〈World's Trees〉では、Gerardo Batiz、Litto Nebbiaの国内初となるベスト盤の監修/選曲を手がけるなど、その活動は多岐にわたる。2017年も多数のリリースが控えている。
https://soundcloud.com/organicchee
COMPUMA
ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組のメンバーを経て、 DJとしては国内外の数多くのアーティ ストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の個性溢れるさまざまな場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTからMIXCDの新たな提案を試みたサウンドスケープなミックス『Something In The Air』シリーズ、悪魔の沼クルーとしての活動など意欲作も多数。一方で、長年にわたるレコードCDバイヤーとして培った経験から、音と音楽にまつわる様々なシーンで幅広く活動している。2015年、京都の老舗茶問屋、宇治香園創業150年記念として KIRIHITOの竹久圏をフィーチャーした初のソロCD「SOMETHING IN THE AIR -the soul of quiet light and shadow layer-」、リコンストラクトを手掛けた初の12インチEP「Compuma meets Haku」を〈Em Records〉からリリースした。2017年1月には、空族の最新映画「バンコクナイツ」Em Recordsトリビュート企画第2弾、stilichimiya「バンコクナイツ(COMPUMA Remix)」を収録した12インチEPが発売されたばかり。そして、3/10には〈Black Smoker Records〉より最新MIXCD「Lateral Thinking feat. KILLER-BONG」が発売予定となっている。
橋本徹 [SUBURBIA]
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』『Good Mellows』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは330枚を越える。USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/
GIGI MASIN JAPAN TOUR 2017 (Full Lineup)
4/11火 東京 at Dommune | Gigi Masin - introduction -
START 21:00 DOOR ¥1,500
Talk: Gigi Masin w/ 橋本徹 & Chee Shimizu
Live: Inner Science / Nyantora
DJ: NOHARA TARO (やけのはら)
4/12水 東京 Shibuya WWW | Gigi Maisn - piano concert -
OPEN 19:00 / START 20:00
ADV ¥4,800+1D *全席座り(170席限定)
Ticket Outlet: e+ / Lawson [L:72573] / WWW店頭
Live: Gigi Masin
opening guest: haruka nakamura LABO
DJ: 橋本徹 & 青野賢一
more info: http://www-shibuya.jp/schedule/007624.php
4/15土 新潟 Sakyu-kan | experimental rooms #25
OPEN 17:00 / START 17:30
ADV ¥4,000円 / DOOR ¥4,500 / 県外 ¥3,500 / 18歳以下無料
Ticket Info: info@experimentalrooms.com
Live: Gigi Masin / Dustin Wong & Takako Minekawa / Asuna
DJ: Jacob
more info: http://www.experimentalrooms.com/events/25.html
4/16日 大阪 Grotta dell' Amore | Gigi Masin Japan Tour Osaka
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV ¥3,900+1D / DOOR ¥4,500+1D
Ticket Outlet: Newtone Records (店頭/通販) / Meditations (京都) / Noon+Cafe (梅田)
Live: Gigi Masin / ダダリズム
DJ: 威力 / SAITO
more info: http://www.newtone-records.com/event.php?eid=715
4/18火 東京 Shibuya WWW | Gigi Maisn - balearic state -
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥3,300+1D / DOOR ¥3,800+1D
Ticket Outlet: e+ / Lawson [L:72573] / RA / WWW店頭
Live: Gigi Masin / UNKNOWN ME / Will Long
DJ: Chee Shimizu / COMPUMA *New Age set / 橋本徹
more info: http://www-shibuya.jp/schedule/007625.php
主催: WWW, Newtone Records, experimental rooms
協力: Music From Memory/calentito, SUBURBIA/disk union, ele-king/P-Vine, Organic Music