2019年から『狼煙が呼ぶ』『破壊の日』『全員切腹』と毎年、時代に挑む作品を作り続けている豊田利晃監督の最新作『生きている。』が完成しました。主演は『真犯人フラグ』『ザ・タクシー飯店』でテレビでも注目を集める映画俳優、渋川清彦。物語は現代、神社の祭りに松明を持った男が現れ、騒動を起こす、18分の短編映画です。狼蘇山シリーズの新章とも言える作品になりました。
映画音楽はZAZEN BOYS/NUMBER GIRLの向井秀徳。エンドクレジットは切腹ピストルズが担当。現在、映画館での上映は予定されていない。
しかし、映画『生きている。』ワールドプレミア公開イベントとして、7月24日(日)渋谷WWW Xでワールドプレミア上映は決定している。当日は映画の上映の他、イッセー尾形の一人芝居、切腹ピストルズ、向井秀徳のライブがある。イッセー尾形のライフワークになっているチケット入手困難な一人芝居が豊田監督の熱烈なオファーにより実現した。ライブハウスでやるのも初めてだという。どんなコントが観れるのか、今から期待に溢れている。混沌の時代に生きる意味を問う、笑いと涙と音楽の祭りをお楽しみ下さい。
豊田利晃コメント
毎年、2月6日に和歌山県新宮市で行われるおとう祭りに10年以上参加している。白装束に身を包み、身体に荒縄を巻き、松明を持って山に上り、御神火をつけて階段を駆け下りる。火祭りとも呼ばれる祭りだ。原田芳雄も20年以上、参加していて一緒に山に上ったのは僕にとって宝のような想い出だ。コロナパンデミックの影響で2年連続、今年も中止になった知らせを聞き、原田芳雄や中上健次が愛した祭りを、自分たちで映画の中で再現してみたくなった。祭りとは一年に一度、自らの霊性に目覚め、生命力を自覚する日だ。そして仲間たちと逢える日。一日で終わり、また普段の日常に戻っていく祭りは、どこか映画作りとよく似ている。「映画は祭りだ」とは映画人がよく口にする言葉だ。沈黙の時代に生きる意味を問いかける、力が溢れ出すような映画にしたいと思った。生きているのかいないのか、それは自分だけが知っている。生きていること、それだけがいつの時代でも希望の証だ。
渋川清彦
1974年、群馬県渋川市出身。 第32回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 / 助演男優賞を受賞。主な出演作に『偶然と想像』( 21 / 濱口竜介監督 )、ドラマ『真犯人フラグ』(21) 、現在放送中の主演ドラマ、テレビ東京水ドラ25「ザ・タクシー飯店」(22)など。また、公開待機作に『キングダム2 遥かなる大地へ』( 22/ 佐藤信介監督 )、『異動辞令は音楽隊!』(22/内田英治監督)、『激怒』(22/高橋ヨシキ監督)がある。
イッセー尾形
福岡県生まれ。
「一人芝居」の第一人者として独自のスタイルを80年代に確立。90年代には国内のみならず、海外からも招致され、NY、ベルリン、ミュンヘン他、数多くの都市で上演を果たす。2015年から創始された夏目漱石の作品を題材にした『妄ソーセキ劇場』、そして『妄ソー劇場』は今日においても全国各地で公演し、高い評価を得ている。一方、数多くの映画、ドラマにも出演。
映画
「太陽」アレクサンドル・ソクーロフ監督・「ヤンヤン夏の思い出」エドワード・ヤン監督・「沈黙」マーテイン・スコセッシ監督・「泣き虫しょったんの奇跡」豊田利晃監督・「ONODA」アルチュール・アラリ監督
TV
「未解決事件・警察庁長官狙撃事件」「スカーレット」「青天を衝け」「相棒」
著書
「シエークスピア・カバーズ」
切腹ピストルズ/せっぷくぴすとるず/又の名を江戸一番隊
全国に隊員二十数名、鉦・三味線・笛・太鼓での神出鬼没の路上演奏を得意とし、町・村おこし、祭、ライブハウス、フェス、デモ、神社仏閣奉納演奏、小学校から介護施設まで、あらゆる場所に現る。
地方探索・民俗の研究、農、工商(雪駄・がまぐち・野良着・大工・意匠)、寺子屋、寄席、尺八指導など、隊員各々が展開。人呼んで「江戸へ導く装置」、自称「ニホンオオカミの残党」。
近年では、映画監督・豊田利晃作品への協力(2019ー2022)、ニューヨーク(2018)やドバイ万博(2022)などの海外演奏も増え、動乱の時代においても独自の活動が続くが、その完全な意図は未だ紐解かれていない。愛用の袢纏は新潟小千谷片貝の老舗・紺仁製。大紋は丸一。判じ絵は矢鎌志(やかまし)。出囃子は「一丁入り」。
せっぷくぴすとるず名物本店
https://edomaruichi.thebase.in/
向井秀徳 Mukai Shutoku
1973年生まれ、佐賀県出身。
1995年、NUMBER GIRL結成。99年、「透明少女」でメジャー・デビュー。
2002年解散後、ZAZEN BOYSを結成。自身の持つスタジオ「MATSURI STUDIO」を拠点に、国内外で精力的にライブを行い、現在まで5枚のアルバムをリリースしている。
また、向井秀徳アコースティック&エレクトリックとしても活動中。
2009年、映画『少年メリケンサック』の音楽制作を手がけ、第33回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。
2010年、LEO今井と共にKIMONOSを結成。
2012年、ZAZEN BOYS 5thアルバム『すとーりーず』リリース。今作品は、ミュージック・マガジン「ベストアルバム2012 ロック(日本)部門」にて1位に選出された。
2019年 NUMBER GIRLを再結成。
著書に『厚岸のおかず』『三栖一明』
mukaishutoku.com
監督・脚本:豊田利晃
1969年大阪府生まれ。1991年、阪本順治監督『王手』の脚本家として映画界にデビュー。1998年、千原浩史(千原ジュニア)主演『ポルノスター』で初監督を務め、その年の日本映画監督協会新人賞、みちのく国際ミステリー映画祭・新人監督奨励賞を受賞。2001年、初のドキュメンタリー映画『アンチェイン』を監督。2002年には人気漫画家・松本大洋原作『青い春』(松田龍平)を映画化し、大ヒットを記録。ドイツのニッポン・コネクション映画祭で観客賞を受賞。2003年『ナイン・ソウルズ』(原田芳雄、松田龍平)、2005年に直木賞作家・角田光代原作の『空中庭園』(小泉今日子)を監督。2006年にはアテネ国際映画祭で全作品がレトロスペクティブ上映されるなど、国内のみならず世界各国からも高い評価を受ける。また、中村達也、勝井祐二、照井利幸と音楽ユニット「TWIN TAIL」を結成。ライジングサンロックフェスティバルに出演、現在も活動中。2009年に中村達也主演『蘇りの血』、2011年に瑛太(永山瑛太)を主演に『モンスターズクラブ』、2012年に藤原竜也、松田龍平主演の『I'M FLASH!』を監督。2013年、NYで行なわれた日本映画祭JAPAN CUTSで世界を魅了する業績を残した監督へ贈られるCUT ABOVE AWARDを受賞。2014年、東出昌大主演『クローズ EXPLODE』の監督を務める。2015年、2016年、舞台『怪獣の教え』(窪塚洋介、渋川清彦ほか)を演出。2018年『泣き虫しょったんの奇跡』(松田龍平、松たか子)を監督。写真集『MOVIE STILLS FROM TOSHIAKI TOYODA FILMS 1998-2018』を刊行。2019年、短編映画『狼煙が呼ぶ』(渋川清彦、浅野忠信、高良健吾、松田龍平、切腹ピストルズ)を全国のミニシアター50館で初の同日公開を成し遂げる。自伝『半分、生きた』を出版。2020年4月、小笠原諸島を舞台としたドキュメンタリー『プラネティスト』(窪塚洋介、GOMAほか)を公開。7月24日、『破壊の日』(渋川清彦、マヒトゥ・ザ・ピーポー、イッセー尾形)を公開。イタリアのオルトレ・ロスペッキオ国際映画祭2020で監督賞を受賞。2021年2月、日野浩志郎と鼓童の音楽映画『戦慄せしめよ』を配信で公開。7月、『全員切腹』(窪塚洋介、渋川清彦、芋生悠)を公開。窪塚洋介を主演に迎え、真っ向から生き方の美学を問う作品が話題を呼んだ。2022年『戦慄せしめよ』(鼓動)を全国ロードショー公開中。7月、短編映画『生きている。』(渋川清彦)公開。