黄昏のウィッチ・エンジェル。ロンドンのLauren Duffus初来日東京公演がeijin主宰のパーティB'Angeloにて開催
ヒップホップ的感性でエレクトロニック・ミュージックへ歩を進めるeijinが初の主宰となるパーティB'AngeloをロンドンにてウィッチR&B的な音像で緩やかに浮上して来たシンガー・プロデューサーLauren Duffusを初来日で招き開催。ローカルからBotsuとDMTによるセッション、札幌よりLAUSBUBのmeiがライブで、Yoyou、irna、京都からodd eyesのwhatmanがDJで出演。ウィッチハウス、トラップ、フットワーク、R&Bといった、10年代から地続きのUS的クラブ・サウンドに感化されたコンテンポラリーなエレクトロニック・ミュージックのモードを紡ぎつつあらゆる外側を目指すような、憂あるアフターダークな秋口へと差し掛かる。
以下eijinより
明日のために服従した無力感を忘れるほど自惚れた額が煌めいていた。どの過去を繰り返しても混ざってしまう運命の中にいることは確かで、毎度芯を食わない言葉の端々を未来に放り投げる。周回遅れの快感が突き動かした、事実はどうでもいい領域で敗北感だけがやけに現実味を帯びているのが心地いい。意識した時点で理由を置き去りにしてしまう始末から後退しよう。悲しくなりたいとしか言い表せない時間が世界を構成していくことが不自然だとは思わない。関係の大半は未来に存在しないけれど、並行する自分を眺めるのには疲れた。天使が囁くのは幻想でしかなくて、選択できる瞬間にはいつも悪魔しかいなかったようにも思える。
予感も革命も安眠を上回らなくなった。愛より欲しい事実もないし失われる整理を動物的に積み重ねていく。救済はいつも間接と知った手と口は既に動き始めている。攻撃は防御で抱擁は期待、えぐれた自然こそ美しいと楽観的でいたい。楽園では満足できないから円を描いているだけ、此処に居たい訳でも何処に行きたい訳でもない。
Lauren Duffus [UK]
ロンドンを拠点に活動するプロデューサー兼ヴォーカリストのローレン・ダファスが、AMFレコードのセレクト・フュー(アリス・グラス、ロイル・カーナー、グリーンティア・ペン)からニューEP『Can's Gone Warm』をリリースし、最新シングル&ビデオ「Liar」を公開した。
このEPは、カタルシスと傷つきやすさの瞬間に満ちた、寂寥から救済への旅という感情の弧を捉えている。このEPは、自信喪失、感情の乱れ、解決への探求によって特徴づけられる旅の親密な肖像である。ダファスのトレードマークである、印象的なヴォーカルと雰囲気のあるプロダクションを融合させたサウンドは、スリリングで喚起的なサウンドスケープを作り上げる彼女の才能を示すこのEPでスポットライトを浴びている。
このEPは、リード・シングル「N.U.M.T.E」に続いてリリースされた。この曲は、ギザギザで夜行性の、レフトフィールドなエレクトロニカとドリーミーなヴォーカルの組み合わせで、スタンリー・ブロックが監督したシュールで夢のようなミュージック・ビデオと共に発表された。「Super」は、より実験的なテクスチャーを導入し、R&B風のヴォーカルがトラップ・ビートの上を漂い、バトル・スタイルのローリング・ドラムで埋め尽くされた激しいクライマックスへと発展する。
最新シングル 「Liar 」は、アコースティックなインディ・アレンジでこのパターンを打ち破り、徐々に激しさを増し、何層にも重なるヴォーカル・ハーモニーは曲が展開するにつれて複雑さを増していく。2023年の夏に書かれたこの曲は、孤独感、負の連鎖、苦味といった感情に取り組み、感情のカタルシスを与えてくれる。
ダファスの音楽は、アフターダークな親密さを体現している。「N.U.M.T.E」は、この黄昏の美学を凝縮したもので、スペクトラルなシンセと断片的なリズムに、謎めいたヴォーカルが重なる。ワン・オトリックス・ポイント・ネヴァーや2010年代初頭のウィッチ・ハウス・ムーブメントからインスピレーションを受けながら、ダファスは、彼女独特の、不気味で変幻自在なプロダクション・スタイルを確立した。
オンライン上では捉えどころのない存在だが、ダファスはNTSやAD93といった業界の重鎮や、The FaceやBritish Vogueといった初期のプレスの間で着実に評判を高めてきた。2020年のロックダウン中に制作ソフトを使った実験から始まった彼女の初期のローファイかつシネマティックなSoundCloudでのセルフリリースは、瞬く間にテイストメーカーの注目を集めた。その結果、NTSの尊敬すべきアーティスト育成プログラムに参加することになり、前述のAD93のような尊敬すべきアンダーグラウンド・レーベルとのコラボレーションも実現した。
TSVIがミックスした2022年のブレイク・トラック「Habits」は、コーラス・サンプル、グリッチするシンセ、カスケード・ブレイクが融合した決定的瞬間だった。この曲は後に、英国版『ヴォーグ』とバーバリーが企画したロイヤル・オペラ・ハウスでのダンス・パフォーマンスでフィーチャーされ、注目を集めた。それ以来、韓国、台湾、中国など東アジア全域でパフォーマンスを行い、アルゼンチンのMUTEKフェスティバルにも出演するなど、そのサウンドをグローバルに展開している。国内では、Fabric、Village Underground、Colour Factoryのステージを飾り、コンテンポラリー・エレクトロニック・ミュージックに欠かせない存在としての評価を高めている。最近では、MIU MIUとStone Islandのミラノ・ファッション・ウィークのショーや、ファッション・ブランドでカルチャーのトレンドセッターでもあるPlaces + FacesのエクスクルーシブDJセットでプレイした。
ローレンは今年初め、尊敬するニューヨークのラッパーでプロデューサーのMIKEをサポートした。
https://www.instagram.com/laurenduffus/