重硬への開眼。00年代初期電子の最重要素ダブとIDM/ブレイクビーツを介したテクノ音響の再興、時の国内レーベル〈Revirth〉の重鎮Numb等を迎え、ASTMAによる鉧塊が開催。
主宰ASTMAより
硬くて重い鋼鉄グルーヴを纏ったIDM、ダブ、テクノの再興、ASTMAによる鉧塊
90年代初頭に英国で産声を上げたIDM(Intelligent Dance Music)、その初期に纏ったインテリジェンスにインダストリアルな轟音と相反するようなダブのスモーキーな抱擁感を携え、「重硬×ダブ」のテーマのもと池田亮司を根底とした電子文脈流れる渋谷WWWの最深部WWWβにて2024年現在に新たな姿をあらわす。
日を跨ぐ直前にはじまる鉧塊は、9組のアクトたちにより目まぐるしくその様相を展開していく。実験ユニット0120や名門BACK TO CHILLで重く深い音を操りこなしてきたAI.U、今年5月にセカンドアルバム『Schismogenesis』をリリースした電子音楽家Atsushi Izumi、デジタルダブ、ステッパーズの快作Scenery From Double Glazingを手がけた関西が誇る才能G VERSION III、ニューエイジの解釈より都内アンダーグラウンドダブマニアを唸らせるキュレーションが光るイベント「おつむの部屋」よりnaggie、今から約20年以上前から自身のレーベルRevirthよりIDM~ブレイクスを発表してきた轟音の重鎮Numb、ベーステクノからハウスのミックスセンスとPAL.Soundsから発表したデビュー作でも類稀な光を放ったVís、小倉sound space αよりディープでありながらトリップ感のあるスタイルで今回はダブのBPMからのテクノで我々をいざなってくれるであろうYSK、荘厳なクラシックから煙たい雰囲気を覆われたアンビエントのミックスでその日の違いを際立たせてくれるyuha、そしてASTMA。
ベースミュージックやダブステップとの交わりを経たのちの現代のエクスペリメンタル~ポスト・インダストリアル、そして、テクノ。それらを一切合切埋め込んだ今回のプログラム。「重硬×ダブ」という一見「ただ重たいでかい音」を軽く2山くらい超えた『鉧塊』の指し示す場所=IDMの再興はダンスフロアとの接点であり、ショーではなく新たなスタイルの「パーティ」である事を証明してくれるだろう。
ASTMA
東京都出身のDJ。mortal-coilの主宰。低音域に富んだ硬質な音を軸に、多様なリズムパターンを経由することで、ダンスミュージックの実験的な側面を抽出する。"厳かながらも快楽的"この相反する要素が混濁した空気の構築を目指す。
https://www.instagram.com/astma_s.p.u/
https://soundcloud.com/satoshi-kajiura