夢とうつつのすべてが、この夜、WWWで遭遇する
~COMPUMA、VIDEOTAPEMUSIC、DJ 1729 in "depth of field", 10/18 渋谷WWW。
渋谷のど真ん中に現れる音楽のワームホール、あるいは、異界を覗くカメラのファインダー。音響と映像で渋谷WWWをパラレルワールドへの入り口へと変容させるライブ・イベント"depth of field"が、10月18日(金)の夜に開催される。
出演は、DJのみならず近年はソロアーティストとしても注目すべき作品(『A View』、竹久圏との『Something In The Air』など)を発表し、活動の領域を大きく拡張しているCOMPUMA。もうひとりは、映像と音楽をシンクロさせた別次元の表現を行ない、今年、滞在制作を行なった土地を再訪するというコンセプトを具現化した新作『Revisit』を重厚なボリュームのカセットブックで発表したVIDEOTAPEMUSIC。COMPUMAは2022年、23年と、ここWWWで続けてきたエンジニア・内田直之、映像・住吉清隆とのヴィジュアルとオーディオを連携したハイブリッド・セット。VIDEOTAPEMUSICは近年活動を共にして各所でのライブで、自身の世界観をさらにアクティブかつ奥行き深くビルドアップしてきたバンドセットで臨む。
イベント名の"depth of field"とは、写真用語で「被写界深度」写真を撮る際にピントが合う度合いの深さを指す。つまり、人間の視覚に置き換えれば「目を凝らす」。そして、単に目を凝らして物事がはっきり見える瞬間を指すだけでなく、ぼやけた状態からだんだんとピントが合ってゆく時間の経過も、この言葉には含まれているように思う。そう考えると、「被写界深度」というワードは、COMPUMAとVIDEOTAPEMUSICの音楽表現が含有している風景、色合い、時間の感覚とも通じ合う。オープニングと幕間のDJを務めるのは、1729。彼女もまた、音楽と現実の境界線を無くして見知らぬものを浮かび上がらせる音の使い手だ。ある意味、これはスリーマンであり、ひとつの宇宙でもある。3者の音楽が混ざり合う無上の快感を今から夢想した。ふわふわと漂うものと、ある瞬間に切り取られるもの。フローとシャッター。エコーとノイズ。マッシブとミニマム。ぼんやりとひらめき。記憶と記録。没入と脱出。闇と光。そんな夢とうつつのすべてが、この夜、WWWという巨大なカメラのような場で遭遇する。(松永良平/リズム&ペンシル)
▼VIDEOTAPEMUSIC
ミュージシャンであり、映像ディレクター。失われつつある映像メディアであるVHSテープを各地で収集し、それを素材にして音楽や映像の作品を作ることが多い。VHSの映像とピアニカを使ってライブをするほか、映像ディレクターとして数々のミュージシャンのMVやVJなども手掛ける。近年では日本国内の様々な土地でフィールドワークを行いながらの作品制作や、個人宅に眠るプレイベートなホームビデオのみを用いたプロジェクト「湖底」名義でのパフォーマンスも行っている。2015年の2ndアルバム『世界各国の夜』以降、カクバリズムから多数の音源作品をリリース。その他にも国内外のレーベルからリリースされた作品多数。
▼COMPUMA
松永耕一、ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組での活動を経て、DJとしては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の個性溢れる様々な場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTよりMIXCDの新たな提案を試みたミックス「SOMETHING IN THE AIR」シリーズをはじめ、コレクティヴ「悪魔の沼」での活動でのDJや、楽曲制作、リミックスなど意欲的に活動。Berlin Atonal 2017、Meakusma Festival 2018への出演、ヨーロッパ・ラジオ局へのミックス提供など国外での活動の場も広げる。一方で、長年にわたるレコードCDバイヤーとして培った経験から、コンピレーションCD 「Soup Stock Tokyoの音楽」の他、BGM選曲を中心に、音と音楽にまつわる様々な空間で幅広く活動している。2022年6月に初のソロ名義アルバム「A View」をリリースした。Newtone Records、El Sur Records所属。
https://linktr.ee/compuma
▼1729
1729 = 7 × 13 × 19
1729とは、一見すると特に意味のない数、二つの立方の和で表す方法が二通りある数のなかでは一番小さい数、2番目のタクシー数、3番目のカーマイケル数、261番目の楔数、362番目のハーシャッド数。
ターンテーブルとCDJを複数台掛け合わせて「録音物を推敲し、混ぜ合わせ、再構築する」複雑なレイヤーのSound collageが本領。近年は山口情報芸術センター(YCAM)や九州大学音響特殊棟での製作等に活動の幅を広げ、「聴く」ことの根源的な領域に接続するような表現を目指しています。